[日記] 新刊いよいよ。 おまけss「秋の菓子」


スパークあわせの新刊(10/7初版発行予定)が印刷所さんから入荷しました^^

中身知っていても
本になるのは嬉しいですね

ペラペラとページをめくってみたら
いきなり誤字を発見――(爆)orz;;;
(あんなに何回も校正したのに)

サークル本部さんと、イベント2か所さんには、裏表W面のポストカードと、
プチっとつぶやきがてら、古イラスト&短SSつき織座舎通信をお付けいたします^^るるるー

■サークル誌との抱き合わせ
狼×嫁[うさこい]倶楽部)との相乗り分も本部に届いたようです。頒布のよゆさま今頑張ってくださってるんだろうと思うと有難くてホント足を向けて眠れません

■イベントは10月の東西2か所
サークル「三希」さんと、サークル「藍華」さんが委託を引き受けていただけました。実際にお手に取ってお確かめいただけますよ^^ (Sさま、Tさま、ありがとうございます♪)

【東京】2017/10 /08 COMIC CITY SPARK 12
「三希×うさこい倶楽部」 東2、ホ-58b

【大阪】2017/10 /22 COMIC CITY 大阪112
「藍華&うさこい倶楽部」 6号館A メ-22b

■書店委託(とらの穴さん)でもお取扱い戴いております。
「失われた欠片 The Missing Piece 総集編」

■電子書籍はe-STARBOOKSさんにてダウンロード販売でお取扱いいただく予定です。
「失われた欠片 総集編」10月7日より開始です。

電子書籍、売り切った既出本を扱っていただいております
(一部の少部数印刷もの、イベント時のコピ本、合同誌・アンソロ等の他の作家さん絡みの本はないですが、単行本は全部置いてあります) e-STARBOOKS 織座舎リスト

とまあ、宣伝ばっかですみません。

久々の単行本です。
やさしい気持ちでお読みいただけたら嬉しいです…


さて、ついでにお一つSSでもいかがでしょうか。

ハロウインというと毎年あまーいお菓子のお話を書くのですけど
今回は少し趣向を変えて。

【注意:ネタバレ】本誌ネタバレからの妄想
【ほろ苦い甘さ?】
【陛下がお子様の頃の昔話ねつ造】
※コミックス派の方はご注意下さい。

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SS 秋の菓子
————–

北の国は凍る大地だったけど
人の心は温かかった。

出自のしがらみを解かれ王子としての名もなく
ただありのまま
泣いたり笑ったり
誰かが死んでも生きてもごく当たり前に
新しい日が訪れる

肉体的な苦しさは
精神的なそれにくらべれば
なんということもない

大人に混ざって一人前としてついてゆくのは
子供の自分にとってはシンドイことだったけど
それでも

そっちのほうがずっと
気持ちがシンドイより楽だった。

子供の背伸びにすぎないとしても
大股で歩くあの人達に遅れまいと
いつも早足で歩いてゆけば

みんなは
ちゃんと一人前として扱ってくれた

でも
ある日。

日々寒さが増す秋の日。

荒れ果てた荒野で風に吹かれながらついていた国境警備の任務。
見回りにあの人が現れた。

彼の顔を見てちょっとホッとしたのか
僕のお腹が突如ぐううっと大きな音を立てた。

当時、育ち盛りだった僕。

父親の顔をしたあの人は
ギュウゥっと僕のほっぺたをつねって
ニカーと笑った。

「イタズラか、菓子か、どっちが欲しい?」

――は?と思いながらも

思わず
「今は、お菓子がいいな――」
僕の口からは本音が漏れた。

国境を守る一人前の男が、菓子をねだるのはなんだか恥ずかしい気がして
とっさに僕は顔を赤らめた。
「――子供みたいだけど」

言い訳だった。

ワハハと笑って彼は言った。
「そう、菓子だ!」

懐から固くて大きな焼き菓子を一つ、取り出した。
彼はそれを僕の掌に載せると、ワシワシっと僕の頭を撫ぜた。

「坊主。お前は育ち盛りなんだ
腹が減ったときは、減ったといえ
寂しかったら、寂しいといっていいんだ」

そういって彼はギュッとぼくを抱きしめた。

(おしまい)

*

SS 重陽の高みに


めずらしくノコノコ3連チャン。

某SNSにあげたお話の移植です。
同じお話ですがすみません。

(9月9日夜9時にあがるように予約投稿です)

【夫婦設定】【原作沿い】
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SS 重陽の高みに
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九月九日といえば五節句の一つ、重陽の節句。
一月七日の人日(じんじつ)、三月三日の上巳(じょうし)、五月五日の端午(たんご)、七月七日の七夕(たなばた)、九月九日の重陽(重陽)の節日(せちにち)に避邪(ひじゃ)の行事が行われたことが元で節会(せちえ)を催すのが宮中での年中行事のならいであった。

前夜から菊の着綿(きせわた)の行事に引き続き、長寿を願い邪気を祓う菊の花びらを浮かべた酒を酌み交わして祝うのが前王まででは常のこと。
ところが孤高の狼陛下と呼ばれる若き王、珀黎翔が王位に就いての数年は国庫の安定、国内平定を優先し、節会の宮中行事は執り行われなかった。

「陛下、畏れながら」
狼陛下の背後から、どよどよとした空気を纏った宰相が声をかけた。

「なんだ」

「そろそろ頃合いかと」

「なんだ、はっきり言え」

「宮中行事、重陽の節会復活を望む声が高まっております」

「…くだらん」
重陽の節句は菊花を愛で酒を飲む雅やかな大宴会がメインで、それは宮中の大臣間がとりしきるのが常であった。

「七月七日の節会、星まつりは優先して復活したこともあり」

「あれは星離宮でのささやかな行事だからな」

周宰相は星離宮の祭祀と浅からぬ縁有り、星まつりは優先して復活したこともあり、他の大臣の希望も取り入れないわけにも行かない。

「お妃様をお迎えになったこれを機に。時に民に息抜きとして、華やかな余興を与えるのも大事では」

「――」

宰相の進言もあり、今年行事が再開することになった。

*

「――めんどくさいよね」
彼は小犬の表情で笑った。

「それって
私は出なくていいってことですか?」

「だって、ゆーりん、つまらないでしょ?」

「でも、それがお仕事なら、面白いとかつまらないとか言ってられませんし」
真面目な夕鈴は、彼を見つめた。

「…やっぱり、必要ないよ」

陛下のきっぱりとした言葉に、夕鈴は内心(正式な宮中行事に、下っ端妃はお呼びじゃないんだ)とちょっぴり肩をおとした。

「君が居て楽しいわけないよ」

(何が楽しいか楽しくないか分かってもいないくせに)

――へーかのバカっ!!

夕鈴はプーっと頬を膨らませた。
「わかりましたっ!」

夕鈴はくるりと後ろを向くと、ツカツカと歩き出す。
「え、ゆーりん?」

「では、わたしはわたしの楽しいとこに参りますっ!」

*

「おやどうした」
老師の部屋にズンズンと歩み入る夕鈴の目はつり上がっている。

「いえっ、べつにっ!」

妃の目から涙がダーッと滴り
一転して彼女はベソベソ泣き出した。

「下っ端妃に御用はないそうですから」

「…ちいと、そこに座ったらどうじゃ?」

老師の差し出すお茶碗を受け取り、夕鈴はボロボロ涙をこぼした。
事情を一通り話すうち彼女の心も少し落ち着いてきた。

「ちゃんとした行事でお役に立てないのは…なんだか悔しいです」

「そうかのう」
張老師はあいまいな受け答えをする。

「もともと五節句の重陽の節句は、貧しい村を覆った疫病の病魔を退治しようと、一人の若者が大仙人の元に訪れ、そこで厳しい修行をし、故郷の民を救ったといういわれからきておるのじゃ」

「そうなんですか」
夕鈴は涙を拭いて
ふうん、とうなづいた。

「再び病魔が村を襲うと予言された日に、その若者は故郷の民と高みに上り、茱萸(しゅうゆ)を皆の身体につけ菊花酒を一口ずつ飲ませる邪気祓いで民を守り、大仙人から与えられた青龍剣をふるい病魔を見事討ち取ったという」

「そうだったんですね」

「今では三日三晩の飲めや歌えやの宴会じゃがな」
老師は笑った。

「陛下が守りたいのは、お前さんじゃないのか?」
「え?」

夕鈴がキョトンとしたその時。

「…っ。陛下!」

「え?」
ぎょっとして後ろを向くと、背後に大きな影が立っていた。

「それで話は終わりか?」
憮然とした狼陛下。
夕鈴はぎくりと硬い表情に戻る。

「…それはもう」
張老師が頭を下げる。

狼陛下はコツコツと近づくと、夕鈴の肩にそっと手を添えた。

「君も十分楽しんだだろうか」

紅い瞳にじっと見つめられて、
夕鈴は気まずそうにコクとうなづいた。

「では、行こう」

ヒョイと妃を抱え上げると、陛下は何事もなかったように歩き出す。

「ええつ? なんですかっ!
ちょ、ちょっとへーか! どこ行くんです」

「…高みに、でも」

「へ?」
夕鈴は思いもよらぬ返答にキョトンとする。

「老師」
「は!」

ピリっとした緊張感が走る。

「…ご苦労」

コツコツと
足音は一直線に廊下を遠ざかった

*

SS 秋日


朝晩ひんやりしてきました。
秋は一番好きな季節です。

最近お漬物が美味しいなあと思います。
発酵食品万歳。

さて
10月1日
「狼×嫁(うさこい)倶楽部」のサークル誌「狼と兎の恋綴り」創刊第一号
ずいぶん先のことだと思っていましたが、あれよあれよと日が進み
とくに印刷所さんからもトラブルの問合せもないので大丈夫、
もうすぐ手に取れるはず、とドキドキするわけでございます。

サークル公式ブログの方でご紹介しております
http://usakoikurabu12.blog.fc2.com/

頒布班によるご予約受付もはじまりました
残部ずいぶん僅かとなっているようですがまだあるようです。
頒布のイベント班、10月は東西で活躍してくださるそうです

大変有難いことに、あいのりで個人誌も扱っていただくことになっております。
4年越しの古漬けのような本です(笑

ついでに短いお話
昨日某国SNSにあげた短編の移植です
よろしければどうぞ。

【夫婦設定】【原作沿い】
━━━━━━
SS 秋日
━━━━━━

暑い日がいつまで続くのかと思っていたのに、いつのまにか空が高い。

「こんな日は思いっきりお洗濯できたら幸せなのに」
夕鈴はつぶやいた。

ひやっとした水。気持ちいいだろうな。
ごしごしこすって、パーンと伸ばして
物干しを竿に掛ければ、青空に旗めく衣類
きっと身も心も晴れ晴れするだろう。

――寝具や食卓の布巾は糊をきかせてパリッと仕上げたいわね
――青慎も背が随分伸びたから…父さんのおフルほどいて仕立てなおしたら着られるかしら?
――この際、居間の敷き物も!

夕鈴の脳裏には
質素で、小さい古びた家のあちこちが
鮮明に浮かんだ。

じわ、と涙がにじんだ。

「ゆーりん。なに考えてるの?」

ハッと気が付くと、目の前に陛下!

――もう、どうしてこういつも、気配を消して現れるのかしら。

「いえっ? なにも」

陛下は紅い目を細めて、すうっと指先で夕鈴の目じりをぬぐう。

夕鈴は顔を赤らめた。

「それは、悲しいこと?」

彼が優しく手を広げた。

夕鈴は、ポフっとその腕の中に納まり
彼の背中に手を回すとギュッと抱きしめた。

「――いいえ」

「ほんと?」

陛下がやさしく背中をさする。
温かい掌の温もりに夕鈴はますます涙がにじみそうだった。

「いいえ」

「そっか。それならいい…」

「へーか。あの、もうちょっとだけ。このままでいいですか?」

幸せなのに、どうして涙が出るのかなと思いながら
夕鈴はすっぽり彼の腕の中に納まったまま
静かに泣いた、秋の日。

*

SS お客さん


こんにちは。

久しぶりにSS書こうとパソコンのフォルダーをのぞいたら
4月に1本書いた本当に短いSSが――

某国SNSのMさまのイラストに触発されて書いたものでした。

元となったのは、浩大の素敵絵で
胡坐を組んだ彼が、なにかの気配に気づく瞬間の、
ちょっぴり鋭い目つきがたまらない一枚でした。

というわけで、短いSSを。

【いつもの浩大】
━━━━━━━━
SS お客さん
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「・・・あぁ またお客さんか」

軽口を叩く彼は
あくまでも自然体だ。

胡坐をかいたまま音もなく
軽く肩を揺すり上体を起こす。

瞬きをしない彼の眼。

もし、客人に挨拶の時間が与えらたのであれば
鋭利な刃物のように切れ味鋭く暗い光を放つ無機質な浩大の視線に
ゾッと凍り付いたことだろう。

…だが、そんな猶予は微塵も与えられなかった。

「…まぁったく。
無粋なお客さんだっつーの」

「客」は音もなく膝から崩れ落ち、泥に頬を擦り付ける

「静かにしてくれよ、な」

…客の耳にはもう何も聞こえていない。

ざあっと樹冠を舐めるように強い風が拭きぬけ梢がゆれ
一瞬止んだ小鳥のさえずりが再び戻る。

定位置にストンと腰をおろした浩大は
スンと小さく鼻をすすりあげ、大きく伸びをする。

後宮の奥深く、誰も立ち入らないこの一角。

時折、ちちち…と微かにさえずる小鳥の声と
梢のざわめき以外は何も聞こえない。

見事な朱瓦の波うつ軒ごしの風景はいつもの通り。

瓦のように真っ赤な顔の妻を膝上に束縛し
この世で一番の幸せに包まれている主の姿を視認すると

彼は軽く目を閉じ、
再び気配を断ち世界に溶け込んでいくのだった。

(おしまい)

*

SS 愛を告げる日によせて


ご無沙汰しております。
もうすぐバレンタインデーですね。

せっかくなので、おひとつ
短いですが。

本誌沿い設定

***********
愛を告げる日によせて
***********

シャランと鈴の音の先触れ。

――陛下が後宮にお帰りよ

いつものように支度を整え、袖を合わせぴしりと背筋を伸ばす。
しなやかな衣擦れの音、ふわりと漂うあの人の香り。

「おかえりなさいませ、陛下!」
うれしくてつい、2、3歩踏み出してしまう。

「…夕鈴」

そういうと、いきなり陛下は
カプリと私の鼻を咬んだ。

「――っ!?×◎△*★♪○…」
(へーかっ、な、なにを!)と言ったはずなのに
耳から入ってくる自分の声は、フガフガとなんとも情けない声とも音ともつかないものだった。

陛下に雁字搦めにされた私は
息苦しくて真っ赤になりながら押し戻すのだけど
私の力くらいでは、びくとも動じない。

見た目綺麗なくせに、陛下ってばすごい力…!

(っ、放してくださいっ!!)
そういってるつもりだけど、またフガフガへんな音が漏れている

コリコリ、モゴモゴひたすら鼻を舐られ、もうどうしてよいか分からない。

…息が止まりそうになって苦しくて目がグルグル回りだした。
ついにダランと力を抜いたら
ようやく
「――あ!」
といって解放された。

よろよろとたたらをふむ私は
申し訳なさそうに見つめる彼と少しだけ間合いをはかる。

「…ごめん」

困った小犬の、とろける笑顔がそこにある。

「…っ――!!」
御免じゃないでしょっ!!

「――だって。ゆーりんの鼻になんだかおいしそうなものが付いてたから…
お菓子、作ってくれてたの?
ご馳走様!」

あっ!!
しまった――

と思った瞬間、
かぁあぁっ と
顔が真っ赤になるのが自分でも分かった。

今日という日は
ちゃんとしたかったのに
驚かせたかったのに。

それでも
陛下がニコニコとあんまり嬉しそうな顔をするから…

「…」

袂からそっと包みを取り出す。

「…今更ですが」

ううん、といいながら
優しく肯んずる彼。

頬をなでられるだけで、嬉しくて
どうしてこんなにも目の前のこの人のことが好きなんだろうって
自分が恥ずかしくなるばかり。

「う、上手にできたかどうか
分かりませんが…」

「夕鈴が作ってくれたんでしょ?」

彼の眼を見たら
ますます、もう逃げられないということだけが
…分かった。

すこし手を広げた彼に歩み寄り
そっと身を寄せる。

はやく
伝えたいこと
伝えないと。

辛抱できないこの人に
また食べられちゃうから――

「へーか
――大好き、です」

Happy Valentine’s Day!!


■近況報告

お手伝いしております合同誌「3つの恋のお題」の編集もほほほほぼ終わりですのほほほ(汗;)

「3つの恋のお題」事務局ブログ http://g3koi.blog.fc2.com/

送料あいのりサービスやってます。現パラアンソロ

白友のよゆさまのご助力をいただいて、合同誌協賛で既刊本現パラの自家通販を2月8日~2月22日受け付けることになりました。 詳しくは1つ前の記事をご覧くださいませ→ 合同誌と現パラアンソロのお知らせ

■花粉症、始まりました。
これはサービスじゃないんですが――個人的なお話ですみません、もれなく春に付いてきてます。