SS どんな姿をしていても、君はわたしの。


【ハッピー・ハロウイン!】
━━━━━━━━━━━━━━━━
どんな姿をしていても、君はわたしの。
━━━━━━━━━━━━━━━━

内緒だけど、私の名前は汀夕鈴。
今は別の名前を名乗っている。

イメチェンして、姿も異様。
誰も私のことに気づくはずもない。

なんでここに居て、こんなことしてるのかとかいえば
――そもそもへーかが悪いのよ!!

*

「――なに? 妓楼?!」
…はぁ
と、深いため息をついて国王は隠密の報告を聞き終えた。

「どうして彼女はそんなとこに…」
こめかみに長い指を当てたまま、国王はまた深いため息をついた。

「なーんか、
ヘーカに連れ戻されないよう、
意表をついたバショにセンプクするんだ!って息巻いてたヨ~?」
隠密は笑いをかみ殺しながら答えた。

*

「…仮装業?」

「そう。元々は異国の万聖節の前夜祭の行事の一つらしいんだけど、
ここの妓楼では昔っから異人さんもよくお見えでしょ。
異国の行事なんてよく分からないから随分ヘンチクリだなーとは思うけど、
この妓楼では毎年こうやって仮装業でお客様をお迎えする日になってるの」

下働きに潜り込んだ妓楼の女中部屋の同僚はそう言って説明をしてくれた。

「へー」

「あのね。仮装業の日は特別なの!
身分の上下のへだたりなく、無礼講の日。
お客さんにおねだりしてもいいんだって!」

彼女は目をキラキラ輝かせて話に熱中している。
私は身を隠してる身だから、おねだりとかには興味はない。ただ人眼を避けられればそれでいいから、仮装業は持ってこいの行事だと思っただけ。

「ふうん」

「でね。あんたはこれ!」
バーンと目の前に広げられたのは、骸骨を模したコワイお化けのお面と薄汚れた長衣だった。
「お、ば、け?」
私は目を丸くした。

「妓女の御姐さま方はみーんな華美な仮装をしたがるから、
こういう地味~な仮装はわたしら下っ端に押し付けられるの」
ブツブツいいながら、彼女は自分用に蝙蝠のような真っ黒な仮装をヒラヒラさせた。

ふーん。ま、いっか。
華美な仮装はいつもやってるようなものだから
ヘーカに見つからないようセンプクする身としては
こういう地味な仮装はむしろ願ったりかなったり。

「分かったわ、任せて!」と私は胸を叩いた。

「よかったー! おりん。あんたのノリがよくて。
さぁ、早く仮装して、お客様をお迎えしなきゃ!」

りん、というのは、私の偽名。
同僚の女中さんは私の背中をポンと叩いて支度にとりかかった。

*

仮装業は楽しかった。

人を驚かせたり
イタズラしてもいいし、おねだりもできるとは聞いていたけど、

お化けの格好でお客さんを驚かすと、中にはすごいリアクションする人もいて
ヘーカとのけんかでモヤモヤしていた気分が結構スッキリした。

また、入口の扉の窓越しに男性が立つ影が見えた。

「あ、次のお客さんがお見えよ!
おりん、行きなさい!」

蝙蝠の装束の彼女に、アゴで指示される。

私は扉の脇の影に身をひそめ、
扉が開いた途端「バア!」とお客に襲い掛かった。

(…あれ?)
腕を軽くひねりあげられ、私は軽々と持ち上げられた。

「…なんだ、この店は」

聞き覚えのある声に
汗がダーッと吹き出す。
(ん、な、な、なんであなたがここに来るのよっ!?)

驚いて声も上げられなかった私の代わりに
蝙蝠の彼女が威勢よく二の句を継いだ。

「いいものくれなきゃ、イタズラするぞー!」
私の視界の斜め下で
ピョンピョンと足元を黒い蝙蝠の影が横切った。

「いた ずら?」
私を担ぎ上げている主は動じる様子もなく
もちもちっと私の腰回りをさすって、感触を確かめた。

「えっちーーーー!」
私は思わず大声で悲鳴を上げてしまった。

店に入ってきたばかりの客人は
その声を聴いて、やっぱり、という表情を浮かべた。

「ふうん。
…じゃ、君だけにいいものあげよっか――」

そういいながら、担いでいた私の姿勢を変えると、
左手でそっと私の骸骨の仮面をずらし

「――夕鈴」
と私の名を呼び、口づけた。

おしまい

*

[日記] 新刊いよいよ。 おまけss「秋の菓子」


スパークあわせの新刊(10/7初版発行予定)が印刷所さんから入荷しました^^

中身知っていても
本になるのは嬉しいですね

ペラペラとページをめくってみたら
いきなり誤字を発見――(爆)orz;;;
(あんなに何回も校正したのに)

サークル本部さんと、イベント2か所さんには、裏表W面のポストカードと、
プチっとつぶやきがてら、古イラスト&短SSつき織座舎通信をお付けいたします^^るるるー

■サークル誌との抱き合わせ
狼×嫁[うさこい]倶楽部)との相乗り分も本部に届いたようです。頒布のよゆさま今頑張ってくださってるんだろうと思うと有難くてホント足を向けて眠れません

■イベントは10月の東西2か所
サークル「三希」さんと、サークル「藍華」さんが委託を引き受けていただけました。実際にお手に取ってお確かめいただけますよ^^ (Sさま、Tさま、ありがとうございます♪)

【東京】2017/10 /08 COMIC CITY SPARK 12
「三希×うさこい倶楽部」 東2、ホ-58b

【大阪】2017/10 /22 COMIC CITY 大阪112
「藍華&うさこい倶楽部」 6号館A メ-22b

■書店委託(とらの穴さん)でもお取扱い戴いております。
「失われた欠片 The Missing Piece 総集編」

■電子書籍はe-STARBOOKSさんにてダウンロード販売でお取扱いいただく予定です。
「失われた欠片 総集編」10月7日より開始です。

電子書籍、売り切った既出本を扱っていただいております
(一部の少部数印刷もの、イベント時のコピ本、合同誌・アンソロ等の他の作家さん絡みの本はないですが、単行本は全部置いてあります) e-STARBOOKS 織座舎リスト

とまあ、宣伝ばっかですみません。

久々の単行本です。
やさしい気持ちでお読みいただけたら嬉しいです…


さて、ついでにお一つSSでもいかがでしょうか。

ハロウインというと毎年あまーいお菓子のお話を書くのですけど
今回は少し趣向を変えて。

【注意:ネタバレ】本誌ネタバレからの妄想
【ほろ苦い甘さ?】
【陛下がお子様の頃の昔話ねつ造】
※コミックス派の方はご注意下さい。

————–
SS 秋の菓子
————–

北の国は凍る大地だったけど
人の心は温かかった。

出自のしがらみを解かれ王子としての名もなく
ただありのまま
泣いたり笑ったり
誰かが死んでも生きてもごく当たり前に
新しい日が訪れる

肉体的な苦しさは
精神的なそれにくらべれば
なんということもない

大人に混ざって一人前としてついてゆくのは
子供の自分にとってはシンドイことだったけど
それでも

そっちのほうがずっと
気持ちがシンドイより楽だった。

子供の背伸びにすぎないとしても
大股で歩くあの人達に遅れまいと
いつも早足で歩いてゆけば

みんなは
ちゃんと一人前として扱ってくれた

でも
ある日。

日々寒さが増す秋の日。

荒れ果てた荒野で風に吹かれながらついていた国境警備の任務。
見回りにあの人が現れた。

彼の顔を見てちょっとホッとしたのか
僕のお腹が突如ぐううっと大きな音を立てた。

当時、育ち盛りだった僕。

父親の顔をしたあの人は
ギュウゥっと僕のほっぺたをつねって
ニカーと笑った。

「イタズラか、菓子か、どっちが欲しい?」

――は?と思いながらも

思わず
「今は、お菓子がいいな――」
僕の口からは本音が漏れた。

国境を守る一人前の男が、菓子をねだるのはなんだか恥ずかしい気がして
とっさに僕は顔を赤らめた。
「――子供みたいだけど」

言い訳だった。

ワハハと笑って彼は言った。
「そう、菓子だ!」

懐から固くて大きな焼き菓子を一つ、取り出した。
彼はそれを僕の掌に載せると、ワシワシっと僕の頭を撫ぜた。

「坊主。お前は育ち盛りなんだ
腹が減ったときは、減ったといえ
寂しかったら、寂しいといっていいんだ」

そういって彼はギュッとぼくを抱きしめた。

(おしまい)

*

[お知らせ]サークル誌創刊第1号増刷のお知らせ


お知らせ
業務連絡ですみません。
文章もコピペですみません。

あちらのうさこいの1号のお嫁さん増えました。
もし、待っていらっしゃる方がこちらにお見えでしたら宜しくお願い申し上げます。

脳内小劇場。

「お嫁さーん」
「えっ? り、李翔さん?」
「きちゃった」
「李翔さん、どうしてこんなとこまで…」
「だって、ゆーりんに会いたかったんだもん」
「もーっ!(赤面)」ポカポカ!
「あはは」
――ってな具合でお迎えくださいませ。

失礼いたしました

★ 創刊号 初版完売御礼
おかげさまで大勢の方にお嫁さまご所望いただきましたおかげさまで9月10日の時点で自家通販分の予定数が終了しました。
(10月のイベント分は予定数確保してありますのでご安心下さい)
早々に初版・自家頒布予定数分に達してしまい、 ショップカートでご注文できない皆様、大変申し訳ございませんでした。 たくさんの方々からこのようにご予約いただけて驚きとサークルメンバー一同大変うれしく思っております。

★創刊第1号 増刷(第2版)予約再開のご案内
改めまして「狼と兎の恋綴り」創刊第1号増刷の手配をいたしましたのでご案内申し上げます。
増刷分は10月初旬に印刷がアップしてくる予定のため、初版より少し遅れてのお届けになる可能性がありますがご容赦ください。
※なお、増刷分は初版特典のポストカードはつきません、申し訳ありませんがご容赦ください。
(ポストカードもう少し多めに印刷すればよかったのですけど…>_<;本当にゴメンナサイ!!)

ご予約受付再開いたしましたので、よろしければショップカートの方よりご予約いただければ幸いです。

サークルのショップカートよりご予約ください

★カートで「入荷待ち」をクリックして下さった5名のみなさまへ ★
=入荷待ちボタンを押してくださった方を探しております!=
ご入荷待ちボタンを押してくださり、ありがとうございます。熱いご要望しかと受け取りました。
ただ大変申し訳ないことに、どなたさまがクリックしてくださったのかが分かりません(T-T)。
本来ならば優先的にご本の取り置きなどできればよかったのですが、ご対応できず大変申し訳ない気持ちでいっぱいです(カートの方では入荷待ちボタンでご予約希望があることはわかるのですが、どなたがクリックされたかは情報が残らないシステム)。

お手数ですがあらためてカートの方からご予約くださりますようよろしくお願い申し上げます。

以上宜しくお願い申し上げます。

おりざ

*

SS 重陽の高みに


めずらしくノコノコ3連チャン。

某SNSにあげたお話の移植です。
同じお話ですがすみません。

(9月9日夜9時にあがるように予約投稿です)

【夫婦設定】【原作沿い】
━━━━━━━━━━━━
SS 重陽の高みに
━━━━━━━━━━━━
九月九日といえば五節句の一つ、重陽の節句。
一月七日の人日(じんじつ)、三月三日の上巳(じょうし)、五月五日の端午(たんご)、七月七日の七夕(たなばた)、九月九日の重陽(重陽)の節日(せちにち)に避邪(ひじゃ)の行事が行われたことが元で節会(せちえ)を催すのが宮中での年中行事のならいであった。

前夜から菊の着綿(きせわた)の行事に引き続き、長寿を願い邪気を祓う菊の花びらを浮かべた酒を酌み交わして祝うのが前王まででは常のこと。
ところが孤高の狼陛下と呼ばれる若き王、珀黎翔が王位に就いての数年は国庫の安定、国内平定を優先し、節会の宮中行事は執り行われなかった。

「陛下、畏れながら」
狼陛下の背後から、どよどよとした空気を纏った宰相が声をかけた。

「なんだ」

「そろそろ頃合いかと」

「なんだ、はっきり言え」

「宮中行事、重陽の節会復活を望む声が高まっております」

「…くだらん」
重陽の節句は菊花を愛で酒を飲む雅やかな大宴会がメインで、それは宮中の大臣間がとりしきるのが常であった。

「七月七日の節会、星まつりは優先して復活したこともあり」

「あれは星離宮でのささやかな行事だからな」

周宰相は星離宮の祭祀と浅からぬ縁有り、星まつりは優先して復活したこともあり、他の大臣の希望も取り入れないわけにも行かない。

「お妃様をお迎えになったこれを機に。時に民に息抜きとして、華やかな余興を与えるのも大事では」

「――」

宰相の進言もあり、今年行事が再開することになった。

*

「――めんどくさいよね」
彼は小犬の表情で笑った。

「それって
私は出なくていいってことですか?」

「だって、ゆーりん、つまらないでしょ?」

「でも、それがお仕事なら、面白いとかつまらないとか言ってられませんし」
真面目な夕鈴は、彼を見つめた。

「…やっぱり、必要ないよ」

陛下のきっぱりとした言葉に、夕鈴は内心(正式な宮中行事に、下っ端妃はお呼びじゃないんだ)とちょっぴり肩をおとした。

「君が居て楽しいわけないよ」

(何が楽しいか楽しくないか分かってもいないくせに)

――へーかのバカっ!!

夕鈴はプーっと頬を膨らませた。
「わかりましたっ!」

夕鈴はくるりと後ろを向くと、ツカツカと歩き出す。
「え、ゆーりん?」

「では、わたしはわたしの楽しいとこに参りますっ!」

*

「おやどうした」
老師の部屋にズンズンと歩み入る夕鈴の目はつり上がっている。

「いえっ、べつにっ!」

妃の目から涙がダーッと滴り
一転して彼女はベソベソ泣き出した。

「下っ端妃に御用はないそうですから」

「…ちいと、そこに座ったらどうじゃ?」

老師の差し出すお茶碗を受け取り、夕鈴はボロボロ涙をこぼした。
事情を一通り話すうち彼女の心も少し落ち着いてきた。

「ちゃんとした行事でお役に立てないのは…なんだか悔しいです」

「そうかのう」
張老師はあいまいな受け答えをする。

「もともと五節句の重陽の節句は、貧しい村を覆った疫病の病魔を退治しようと、一人の若者が大仙人の元に訪れ、そこで厳しい修行をし、故郷の民を救ったといういわれからきておるのじゃ」

「そうなんですか」
夕鈴は涙を拭いて
ふうん、とうなづいた。

「再び病魔が村を襲うと予言された日に、その若者は故郷の民と高みに上り、茱萸(しゅうゆ)を皆の身体につけ菊花酒を一口ずつ飲ませる邪気祓いで民を守り、大仙人から与えられた青龍剣をふるい病魔を見事討ち取ったという」

「そうだったんですね」

「今では三日三晩の飲めや歌えやの宴会じゃがな」
老師は笑った。

「陛下が守りたいのは、お前さんじゃないのか?」
「え?」

夕鈴がキョトンとしたその時。

「…っ。陛下!」

「え?」
ぎょっとして後ろを向くと、背後に大きな影が立っていた。

「それで話は終わりか?」
憮然とした狼陛下。
夕鈴はぎくりと硬い表情に戻る。

「…それはもう」
張老師が頭を下げる。

狼陛下はコツコツと近づくと、夕鈴の肩にそっと手を添えた。

「君も十分楽しんだだろうか」

紅い瞳にじっと見つめられて、
夕鈴は気まずそうにコクとうなづいた。

「では、行こう」

ヒョイと妃を抱え上げると、陛下は何事もなかったように歩き出す。

「ええつ? なんですかっ!
ちょ、ちょっとへーか! どこ行くんです」

「…高みに、でも」

「へ?」
夕鈴は思いもよらぬ返答にキョトンとする。

「老師」
「は!」

ピリっとした緊張感が走る。

「…ご苦労」

コツコツと
足音は一直線に廊下を遠ざかった

*

SS 秋日


朝晩ひんやりしてきました。
秋は一番好きな季節です。

最近お漬物が美味しいなあと思います。
発酵食品万歳。

さて
10月1日
「狼×嫁(うさこい)倶楽部」のサークル誌「狼と兎の恋綴り」創刊第一号
ずいぶん先のことだと思っていましたが、あれよあれよと日が進み
とくに印刷所さんからもトラブルの問合せもないので大丈夫、
もうすぐ手に取れるはず、とドキドキするわけでございます。

サークル公式ブログの方でご紹介しております
http://usakoikurabu12.blog.fc2.com/

頒布班によるご予約受付もはじまりました
残部ずいぶん僅かとなっているようですがまだあるようです。
頒布のイベント班、10月は東西で活躍してくださるそうです

大変有難いことに、あいのりで個人誌も扱っていただくことになっております。
4年越しの古漬けのような本です(笑

ついでに短いお話
昨日某国SNSにあげた短編の移植です
よろしければどうぞ。

【夫婦設定】【原作沿い】
━━━━━━
SS 秋日
━━━━━━

暑い日がいつまで続くのかと思っていたのに、いつのまにか空が高い。

「こんな日は思いっきりお洗濯できたら幸せなのに」
夕鈴はつぶやいた。

ひやっとした水。気持ちいいだろうな。
ごしごしこすって、パーンと伸ばして
物干しを竿に掛ければ、青空に旗めく衣類
きっと身も心も晴れ晴れするだろう。

――寝具や食卓の布巾は糊をきかせてパリッと仕上げたいわね
――青慎も背が随分伸びたから…父さんのおフルほどいて仕立てなおしたら着られるかしら?
――この際、居間の敷き物も!

夕鈴の脳裏には
質素で、小さい古びた家のあちこちが
鮮明に浮かんだ。

じわ、と涙がにじんだ。

「ゆーりん。なに考えてるの?」

ハッと気が付くと、目の前に陛下!

――もう、どうしてこういつも、気配を消して現れるのかしら。

「いえっ? なにも」

陛下は紅い目を細めて、すうっと指先で夕鈴の目じりをぬぐう。

夕鈴は顔を赤らめた。

「それは、悲しいこと?」

彼が優しく手を広げた。

夕鈴は、ポフっとその腕の中に納まり
彼の背中に手を回すとギュッと抱きしめた。

「――いいえ」

「ほんと?」

陛下がやさしく背中をさする。
温かい掌の温もりに夕鈴はますます涙がにじみそうだった。

「いいえ」

「そっか。それならいい…」

「へーか。あの、もうちょっとだけ。このままでいいですか?」

幸せなのに、どうして涙が出るのかなと思いながら
夕鈴はすっぽり彼の腕の中に納まったまま
静かに泣いた、秋の日。

*

SS お客さん


こんにちは。

久しぶりにSS書こうとパソコンのフォルダーをのぞいたら
4月に1本書いた本当に短いSSが――

某国SNSのMさまのイラストに触発されて書いたものでした。

元となったのは、浩大の素敵絵で
胡坐を組んだ彼が、なにかの気配に気づく瞬間の、
ちょっぴり鋭い目つきがたまらない一枚でした。

というわけで、短いSSを。

【いつもの浩大】
━━━━━━━━
SS お客さん
━━━━━━━━

「・・・あぁ またお客さんか」

軽口を叩く彼は
あくまでも自然体だ。

胡坐をかいたまま音もなく
軽く肩を揺すり上体を起こす。

瞬きをしない彼の眼。

もし、客人に挨拶の時間が与えらたのであれば
鋭利な刃物のように切れ味鋭く暗い光を放つ無機質な浩大の視線に
ゾッと凍り付いたことだろう。

…だが、そんな猶予は微塵も与えられなかった。

「…まぁったく。
無粋なお客さんだっつーの」

「客」は音もなく膝から崩れ落ち、泥に頬を擦り付ける

「静かにしてくれよ、な」

…客の耳にはもう何も聞こえていない。

ざあっと樹冠を舐めるように強い風が拭きぬけ梢がゆれ
一瞬止んだ小鳥のさえずりが再び戻る。

定位置にストンと腰をおろした浩大は
スンと小さく鼻をすすりあげ、大きく伸びをする。

後宮の奥深く、誰も立ち入らないこの一角。

時折、ちちち…と微かにさえずる小鳥の声と
梢のざわめき以外は何も聞こえない。

見事な朱瓦の波うつ軒ごしの風景はいつもの通り。

瓦のように真っ赤な顔の妻を膝上に束縛し
この世で一番の幸せに包まれている主の姿を視認すると

彼は軽く目を閉じ、
再び気配を断ち世界に溶け込んでいくのだった。

(おしまい)

*

[お知らせ] W新刊・ご予約に関する情報更新


こんばんは、おりざです。

宣伝ばかりですみません。宣伝です←

1)サークルショップ(自家通販)でのご予約
9月1日から 狼×嫁(うさこい)倶楽部 サークルショップカートより、
サークル誌「狼と兎の恋綴り創刊号(10/1刊)」と織座舎新刊「失われた欠片 総集編(10/7刊)」の抱き合わせ頒布のご予約受付が開始します。サークルメンバーがかかわった既刊等の在庫分もサークルショップにアップされる(かもしれません)ので、過去見逃してしまった作品などもあわせてどうぞ^^
http://usakoikurabu12.cart.fc2.com

2)イベント頒布
 10月の東西2か所でのイベントで実際にお手に取っていただけます。

 【東京】2017/10 /08
  COMIC CITY SPARK 12
 「三希×うさこい倶楽部」
 ※スペース番号等は分かり次第お知らせいたします。

 【大阪】2017/10 /22
  COMIC CITY 大阪112
 「藍華&うさこい倶楽部」
 ※スペース番号等は分かり次第お知らせいたします。

3)とらさん書店委託
織座舎新刊「失われた欠片 総集編」の予約受付開始しております。
※書店委託分は「おまけポストカード」はつきません。申し訳ありません。

※サークル誌「狼と兎の恋綴り創刊号(10/1刊)」は書店委託はありません。
 上記1)自家通販または2)イベント会場でよろしくお願い申し上げます。

—–

明日から新学期ですね。
ささ、今日は早くお休みになって!
素敵な秋のスタートをお迎えくださいませ。

ではでは

*

[新刊情報]サークル誌狼と兎の恋綴り 創刊第1号(2017年10月1日発行)


狼×嫁(うさこい)倶楽部 サークル誌
狼と兎の恋綴り 創刊第1号(2017年10月1日発行)

イベント、サークル自家通販 ★ポストカード付

詳しくはサークルブログへどうぞ^^

表紙(1・4) 表紙(1・4)

★特典★ ポストカード

狼と兎の恋綴り 創刊第1号 ★ポストカード付
8名の作家による、『狼陛下の花嫁』の二次小説ファンブック。
狼×嫁倶楽部による、会誌創刊号。
恋の物語がちりばめられています。

——
狼×嫁(うさこい)倶楽部
サークル誌「狼と兎の恋綴り」 創刊第1号

[発行日] 2017年10月1日発行
[概要] A5判 84頁 オンデマンド印刷(表紙フルカラー、本文黒)
★特典★麻杉慎さまのポストカード付
全年齢向け
表紙イラスト:麻杉慎
SS7本、詩文2本を収録
書き手:おりざ、沙希、さくらぱん、たつぼん、みね、瓔悠、リチア(あいうえお順)

詳しくはサークルブログへどうぞ^^


頒布の委託先(予定)
■ イベント (10/7スパーク東京、10/22インテ大阪)
=東西イベントご来場でお求めの皆様には= ★特典★麻杉慎さまのポストカード付
COMIC CITY SPARK 12「三希×うさこい倶楽部」NEW
COMIC CITY 大阪112「藍華&うさこい倶楽部」 NEW

■ 自家通販(サークル本と抱き合わせ分限定)
「狼×嫁倶楽部 狼と兎の恋綴り 創刊号★抱き合わせ頒布」★特典★両面ポストカード付
→ 詳しくは狼×嫁(うさこい)倶楽部ブログhttp://usakoikurabu12.blog.fc2.com/)をご
覧ください。

もくじ もくじ


*

[新刊情報] 失われた欠片(かけら)総集編


大変長らくおまたせいたしました。4年の歳月を経て、あなたの元へ…。

失われた欠片 – The Missing Piece - 総集編 NEW

単行本化構想から丸2年間。新刊発行のタイミングを2度失い、3度目の正直、いよいよ出ます。

幻の作品「失われた欠片」「セピア色の語り部シリーズ3本」を収録。2013年の本誌沿い設定(バイト妃)、黎翔×夕鈴の王道CP、せつない恋の物語(全年齢向け)
秋の夜長のお伴にどうぞ…

[新刊情報] 失われた欠片 – The Missing Piece - 総集編

発行:織座舎
作者:絵と文 おりざ

<データ>
[発行] 2017.10.7初版
[対象] 全年齢向け
[概要] 新書判 192頁 フルカラー表紙+ジャケット付(オンデマンド印刷) / 電子書籍e-STARBOOKS
★特典★ Wポストカード付(表黒Ver.+裏白Ver.)※東西イベント、サークル自家通販抱き合わせご利用の方に限る(とらさん書店委託、電子書籍には、おまけのポストカードはつきません)

2013年ブログ掲載から4年を経て大幅加筆修正を加え待望の単行本化。
臨時妃時代の長編「失われた欠片 -The Missing Piece- 」に加え、狼陛下珀黎翔とその父母の過去の想い出を綴る「セピア色の語り部」シリーズの3本を収録。
—-
<収録作品>
失われた欠片
セピア色の語り部
ぬくもり
続・ぬくもり
愚かなる賢王


頒布の委託先(予定)
■ イベント (10/7スパーク東京、10/22インテ大阪)
=東西イベントご来場でお求めの皆様には= ★特典★両面ポストカード付
COMIC CITY SPARK 12「三希×うさこい倶楽部」NEW
COMIC CITY 大阪112「藍華&うさこい倶楽部」 NEW

 

■ 自家通販(サークル本と抱き合わせ分限定)
うさこい倶楽部 サークルショップカート http://usakoikurabu12.cart.fc2.com/ にてご予約受付できます。
「狼×嫁倶楽部 狼と兎の恋綴り 創刊号★抱き合わせ頒布」★特典★両面ポストカード付

サークル頒布の時期(ショップカート受付のタイミング)、発送その他の情報 → 詳しくは狼×嫁(うさこい)倶楽部ブログhttp://usakoikurabu12.blog.fc2.com/)をご 覧ください。

■ とらさん 書店委託 ( ※ポストカードつきません。すみません)


<おまけのポストカードについて>NEW

東西イベントご来場」&「狼×嫁倶楽部 狼と兎の恋綴り 創刊号★抱き合わせ頒布」の特典プレゼントです。W面ポストカード (黒Ver. – 白Ver.)

 

※すみませんがとらの書店委託にはつきません。ご容赦ください。

[近況]秋にむけてW新刊企画中


すっかりご無沙汰をしております。

本当にすみません。
現実と非現実の狭間で時間と体を配分しきれず
こちら世界へなかなか戻ってこられませんでした
無沙汰をお詫び申し上げます。

秋にむけて
少しだけ、
こちらもがんばっております。
(まだまだ水面下ですけど)

少しだけとかいいながら、
新刊本、2冊です。

ダブルです(笑

これもみなさまのおかげです。
本当にありがとうございます

本ですね
やってみると一冊も二冊もおんなじ。
(――ではないけど)ポジティブシンキング中でございますことよ。

詳細はまだ公にできませんが
今日はさわりだけ。

—————-
1)サークル誌の創刊号
 狼×嫁(うさこい)倶楽部 「狼と兎の恋綴り」創刊第1号
 総勢8名、すべて書き下ろしです!(全年齢向け)
 ほぼ編集完了、表紙もできて構成チェック中。
 寄せ書きコーナーの原稿揃えば、印刷所に送る日も近いです~
 A5版 84ページを予定しております
 私の担当は編集で作業が終わり次第サークルの頒布班さんにバトンタッチ
 詳しいことはまたそちらから…。
 (今のところ予定している頒布チャンネルは
 ・自家通販(これから整備するところですので今しばらくお待ちください)
 ・10/8(日)COMIC CITY SPARK 12「三希×うさこい倶楽部」
 ・10/22(日)COMIC CITY 大阪112「藍華&うさこい倶楽部」です^^)
—————-
2)個人誌の新刊本
 失われた欠片 総集編(新書判)
 2回発刊しそこない2年越しで校正中(汗)の新刊をだしたいなあと
 3度目の正直の校正中。10月8日のイベント合わせで出そうと決意。
 (10/8東京の沙希さま、10/22大阪インテのたつぼんさまのスペースに委託させていただく予定です。大変お世話になります、ありがとうございます)
 とらさんの委託も検討中です
—————-

サークル誌の方、書き下ろしの短編載せてます。
書き下ろしも、久しぶりですねー(笑
総勢8名による書き下ろし、短編が7本、詩文が2本
本文80ページで読み応えたっぷりです(´ω`*)
え? まだ編集の私しか全部読ませていただいておりませんのよ。
うふふ、役得でございましょ?
表紙は慎さまに書き下ろして頂きましたの。
もうかわいらしくて萌える素敵絵ですわよ
ほぼレイアウト完了してるのですが、チェック中のため外部公開は来週あたり?
お楽しみに♪(´ω`*)ウフフ

個人誌の方は2013年か2014年頃?にブログで連載していた作品の総集編です。
(現在ブログの方は公開終了)

過去作品の総集編なのですが、3年間の間に20回以上校正しているので
新しく書くよりも大変でした…olz
あちこち加筆修正されております。されまくっております。
力及ばぬことは重々承知なのですが
何回校正してもボロが出るのでこれはもう仕方がありません。
どこかの時点で諦めて印刷所さんにだそうと思っております

去年、印刷所まで予約して、新刊発行予定ですとブログで匂わせながらも
諸事情により断念したのですけれども、
その原因を内省してみますと

まあ、一番の理由は
「時の運がなかった」。これに尽きます、はい。

そして、
手前味噌で申し訳ないのですが
自分で好きな作品なのです
忘れっぽいので、校正で読み返しても新鮮な気持ちになりまして(笑
惚れた弱みではありませんが
不十分なまま出したくない、のかもしれません。

あと
書き下ろしを20~30ページくらい書こうと欲張ったのも
心の枷になった一因かもしれません。
かきたい作品があったのですが、これも些細なことですが外的要因で歯車が噛み合わなかった。
またいつかこれはかける日がくるといいなあと思います
というか本誌が私の書きたいところに最近フォーカスあたってきまして
本筋を知りたいホンモノのお話を読みたい、で満たされてるのとかもしれません。

書き下ろし、にお話戻しますと
今回はサークル誌とほぼ同時期で
リハビリなしの書き下ろしは1本が精一杯でしたので
潔く書き下ろしは諦めました。

増ページしなくていいや、と思うと
あーら不思議。
校正中の本文に書き足したくなるんですね。

印刷所さんに予約(決意が鈍らないよう早々と入れた)した時点より、
ページ数が増えてしまいました。
(入稿時に変更すればよいのでこれは問題ないのですけど)

結局『書き下ろし入れよう』と構想したときと
あまり変わらないボリュームになりそうです。

(でも今回は一連の織座舎新書判シリーズにしては薄い方です)

あと、進行を阻む要因――そうですね。

一番の「気重」といえば
なにより 表紙とカバー、これが気が重いのかもしれませんですよ。

(いままで2年間、本にできなかった理由はこれかも?)新たな気づき発見

基本的に絵師ではないのでね、仕方がございません
自分のことは自分でやらねば、自立への第一歩なのよ。

――とはいえ、2年間で何回かトライした下絵
ボツばかりでしたのよー(笑
でも今回、ようやく描きたいものがかけそうな予感が。
締切でお尻に火がつくと、気分も上向いて参りました。←

一日一歩、三日で三歩、三歩進んで二歩下がる~な感じでコツコツすすんでおります

レイアウトするとき、どこ使うか自分でもわからないので
けっこう大きく描いてます

うまいこと表紙にまとまるとよいですわね…

まずは近況報告方々
W新刊発行をほのめかしてみたりしてみました。

放置しまくっていたおりましたのに
わざわざ閲覧に来てくださって、ありがとうございます。

おりざ