SS 秋日

朝晩ひんやりしてきました。
秋は一番好きな季節です。

最近お漬物が美味しいなあと思います。
発酵食品万歳。

さて
10月1日
「狼×嫁(うさこい)倶楽部」のサークル誌「狼と兎の恋綴り」創刊第一号
ずいぶん先のことだと思っていましたが、あれよあれよと日が進み
とくに印刷所さんからもトラブルの問合せもないので大丈夫、
もうすぐ手に取れるはず、とドキドキするわけでございます。

サークル公式ブログの方でご紹介しております
http://usakoikurabu12.blog.fc2.com/

頒布班によるご予約受付もはじまりました
残部ずいぶん僅かとなっているようですがまだあるようです。
頒布のイベント班、10月は東西で活躍してくださるそうです

大変有難いことに、あいのりで個人誌も扱っていただくことになっております。
4年越しの古漬けのような本です(笑

ついでに短いお話
昨日某国SNSにあげた短編の移植です
よろしければどうぞ。

【夫婦設定】【原作沿い】
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SS 秋日
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暑い日がいつまで続くのかと思っていたのに、いつのまにか空が高い。

「こんな日は思いっきりお洗濯できたら幸せなのに」
夕鈴はつぶやいた。

ひやっとした水。気持ちいいだろうな。
ごしごしこすって、パーンと伸ばして
物干しを竿に掛ければ、青空に旗めく衣類
きっと身も心も晴れ晴れするだろう。

――寝具や食卓の布巾は糊をきかせてパリッと仕上げたいわね
――青慎も背が随分伸びたから…父さんのおフルほどいて仕立てなおしたら着られるかしら?
――この際、居間の敷き物も!

夕鈴の脳裏には
質素で、小さい古びた家のあちこちが
鮮明に浮かんだ。

じわ、と涙がにじんだ。

「ゆーりん。なに考えてるの?」

ハッと気が付くと、目の前に陛下!

――もう、どうしてこういつも、気配を消して現れるのかしら。

「いえっ? なにも」

陛下は紅い目を細めて、すうっと指先で夕鈴の目じりをぬぐう。

夕鈴は顔を赤らめた。

「それは、悲しいこと?」

彼が優しく手を広げた。

夕鈴は、ポフっとその腕の中に納まり
彼の背中に手を回すとギュッと抱きしめた。

「――いいえ」

「ほんと?」

陛下がやさしく背中をさする。
温かい掌の温もりに夕鈴はますます涙がにじみそうだった。

「いいえ」

「そっか。それならいい…」

「へーか。あの、もうちょっとだけ。このままでいいですか?」

幸せなのに、どうして涙が出るのかなと思いながら
夕鈴はすっぽり彼の腕の中に納まったまま
静かに泣いた、秋の日。

*


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