SS 邯鄲(かんたん)の枕

お元気ですか?
台風が仲良く3つ並んでいますね

息抜きの
短かくてゆるーいSSです

当たり前すぎて、がっかりしないでください。

【原作沿い(時系列不明)】【陛下目線】

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邯鄲(かんたん)の枕
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白陽国王、珀黎翔は狸寝入りを決めこんでいた。

開け放たれた窓から、初夏の涼しい風が頬をなぶる

「…へーか…」

小さい、だが慎重な君の声。

「…」

すぅ、すぅと呼吸の微かな音。

ぼくの呼吸に合わせていつしか君の吐息も重なっている

また君の呼吸が一拍遅れた…

――呼ばれる頃か。

「…へーか」

君の声は心地よい。

何度呼ばれようと
私は寝ているのだ。

私は今日も沢山仕事をした。

今、王宮の政務室のすぐそばの一室で
ささやかな休息を取ること

――それは正当な労働の対価だ。

その細い腰に腕を回し
思う存分彼女の柔らかい下腹に頬を埋め
膝の上で極上の夢を見続ける

醒めることのない夢だと思いたい。

君が私を呼ぶ声は、心地よい。

「そろそろ起きてください」

かるく揺すぶられる。

「へーかってば」

君の指先が触れたところに、温もりが灯る。

何度呼ばれても、
君の温もりを私は手放したくないんだ。

離れたくない

…君も、そうでしょ?

風が止んだ。

ビク、と彼女は身震いをして
柔らかく弛緩していた彼女の筋肉に緊張が走る。

「――陛下!」

冷静な男の声

「――!? 
…なんだ、

李順」

自分でも思ってもみない程、低くて凶悪な声が出た。

仕方なく私は目を開ける。

ゆらりと立ち上るシルエット。
視線の先にはやはり――ヤツ。

夕鈴は気の毒なほどビクビク逃げ腰だ。

「――私は休憩中だ。
なぜ邪魔をする?」

「…陛下のご指示通り」

「指示など出しておらん」

「私はしばし休む
用があれば呼べ、――と仰いましたので」

奴は
作り笑いをしたまま恭しく
袖の下から書簡がずらりと並んだ大き目の文箱を取り出した

――この男は
遠慮というものを知らん

…まったく。

*


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